セカンドライフの落とし穴

セカンドライフの落とし穴

第4回:6月15日の年金口座をみてびっくり! 年金額が減った 〜 覚悟を決めてメリハリのある老後プランを

平成23年度の年金額が5年ぶりに0.4%引下げられました。年金は偶数月の15日に前2か月分が後払いで郵便局や金融機関などの口座に振り込まれるため、減額された4月分と5月分が入金される6月15日に初めて年金額の減少に気づく人も多いと言う訳です。減額がたった0.4%くらいと感じるか、0.4%もと感じるかは人それぞれです。
意外だったのは、「下がるのは困るけど、全国の人皆が下がるのだから仕方ないね」という声が相談の現場でかなりあったことです。そこで、今回は、0.4%と一口でいうけど、受給している年金で微妙に受給額が異なるお話しをしましょう。


年金額0.4%減の理由

平成22年平均の全国消費者物価指数が平成21年に比べマイナス0.7%となりました。現在支給されている特例水準の年金額は、直近の年金額引き下げの年の平成17年より物価が下がった場合は年金額を改定するきまりです。平成22年の物価は基準となる平成17年に比べマイナス0.4%となり、平成23年度の年金額は0.4%引き下げられました。

以下に示した「モデル世帯での年金額(月)の比較」の図は、「国民年金受給者」と、「夫が働いており老齢厚生年金を受給できる夫婦」の2つのモデルの減額イメージを表したものです。

但し、国民年金の付加年金に加入している人厚生年金基金に加入した人の年金額は、単純に前年の金額の0.4%とならないので要注意です。
付加年金加入者、厚生年金基金加入者における年金受給額の計算はどのようにされているのか、見ていきましょう。


付加年金に加入期間がある人の年金額

付加年金は、国民年金の第1号被保険者が国民年金の保険料に上乗せして納付できる年金です。保険料(月)は定額の400円。年金額は200円×加入した月数で計算します。老齢基礎年金を繰り上げるときや繰り下げるときは、本来の老齢基礎年金と同率で増減されます。
付加年金には物価スライドがかからないので、年金額の0.4%の引き下げはされません。

付加年金は、コーヒー一杯分に相当の月400円の保険料で加入できる家計にやさしい、かつ老後の年金額を増やせ、物価スライドが下がったときも減額されないお得な年金と言えそうです。


厚生年金基金の加入期間がある人の年金額

厚生年金基金に加入した人の年金額の比較は、ちょっと複雑です。国から届く年金額をみて、「0.4%より多く減額されているのでは?」の質問も多々あります。0.4%の減額は、国と厚生年金基金(代行部分)の合計額を含めた金額の0.4%だということを知っておきましょう。
国からの減額率は0.4%より多いけど、国からの年金と厚生年金基金(代行部分)を含めた金額の合計額の0.4%の減額率になり、厚生年金だけに加入した場合と減額率は同じになります。


※ 230万円×0.4%=9,200円  代行部分を含めた金額からみれば0.4%減。
しかし、国から支給される金額のみ見ると、代行部分の年金額は変わらないので、国から支給される報酬比例部分+定額部分から9,200円減となる。つまり国から支給される年金額は0.7%の減額となる(9,200円÷130万円≒0.7%)。
なお、実際の年金額は、加入時期や加入年数などで必ず0.4%減となる訳ではありません。
あくまでも目安です。


一喜一憂せず、長期的視野でプランニングを

飛躍的な景気回復が見込めない現在、当分の間年金額が増えることは期待できません。
だからこそ、生活の仕方の優先順位を決め、収支のメリハリのきいた生活スタイルを長期的に築いていく覚悟のときかも知れません。
山坂乗り越えて迎えたセカンドライフだからこそ、「気づいた今から」の気持ちでまだまだ続く長い人生をより楽しく生きていくために・・・・



執筆:音川敏枝(ファイナンシャルプランナー)CFP®
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士、DCアドバイザー、社会福祉士。
仲間8名で女性の視点からのライフプランテキスト作成後、FPとして独立。金融機関や行政・企業等で、女性の視点からのライフプランセミナーや年金セミナー、お金に関する個人相談、成年後見制度の相談を実施。日経新聞にコラム「社会保障ミステリー」、読売新聞に「音川敏枝の家計塾」を連載。 主な著書に、『離婚でソンをしないための女のお金BOOK』(主婦と生活社)、『年金計算トレーニングBOOK』(ビジネス教育出版社)、『女性のみなさまお待たせしました できるゾ離婚 やるゾ年金分割』(日本法令)。
HP: http://cyottoiwasete.jp/

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