セカンドライフの落とし穴

セカンドライフの落とし穴

第18回:国民年金の保険料未納期間の納付が、過去2年から10年に延長  (後納制度)
       〜 年金額アップ・年金の受給資格を取得も! 〜 平成24年10月施行

情報は困っているとき「使えてこそ」効果があります。つまり困っているそのとき、「知識」があるかないかが重要なポイントです。公的年金の将来に不安を持つ人は増えていますが、公的年金は老後の生活を支える大切なお金であることに変わりはありません。
今回は、公的年金額が少ない、または無年金の人にとり嬉しい国民年金の保険料の「後納制度」について、知ってトクするお話しをしましょう。施行日は平成24年10月、但し、平成24年10月から平成27年9月までの3年間の時限立法です。


国民年金の保険料の後納制度とは!

これまで国民年金保険料の未納期間分過去2年まで遡って納付することができました。それが平成24年10月から過去10年に延長になりました。これを「後納制度」といいます。
国は平成24年7月31日から対象者に「事前お知らせ」を文書で送付しています。書類が届いたら10月前でも年金事務所などで詳細を確認していただけたらと思います。後納保険料の納付申込みをして、申込みの承認がされると、年金事務所から10月以降「納付書」が送付されます。

後納制度の利用で、将来の年金額が増加し、年金の受給資格を得られる可能性もあります。ちなみに1年分の保険料を納付すれば老齢基礎年金額は約2万円弱(年)増えます。

1年分納付で老後の年金は、約2万円弱増加
786,500円÷40年=19,662円 ≒ 2万円弱


利用できる人とは

後納制度は、過去10年以内に未納期間がある人誰もが利用できるとは限らないので注意が必要です。老齢基礎年金の受給権者(繰上げ受給者・繰下げ待機者含む)は、利用できません。以下の表の1、2、3をもとにどの期間が後納制度の対象になるのか示してみます。

利用できる人

1.  20歳以上60歳未満 2.  60歳以上65歳未満 3.  65歳以上
過去10年以内に未納期間(納付済・免除除く)や未加入期間がある人 60歳以降任意加入中の未納期間がある人 年金の受給資格がなく任意加入中の人など

1)
過去に免除の承認を受けた期間(一部免除の申請をうけ、支払うべき保険料を支払った期間含む)は、 過去10年分を追納できますが、後納制度は利用できません。

2)
国民年金は原則20歳から60歳未満の40年加入(強制加入)します。但し、60歳で受給資格がある人は65歳になるまで国民年金に任意加入(480月まで)できます。任意加入して保険料を納付していない場合は未納期間となります。この未納期間の保険料を過去に遡って納付できるのが後納制度です。なお、任意加入は事前の申し込みが必要で遡って加入できません。

3)
65歳で年金の受給資格がない人は、65歳以降の任意加入期間の保険料を納付している人が、10年以内の保険料の未納期間の保険料を遡って納付し年金額を増やすことができます。但し、受給資格の300月を超えて納付することはできません。

60歳以降は国民年金に任意加入していなければ後納制度が利用できないこと。
あわせて、65歳以降の任意加入者(特例任意加入者)は、300月を越えて納付することができないことがもうお分かりいただけたでしょうか。


気になる保険料は 〜 年約18万円

気になる保険料は、過去3年度以前は加算金がつきます。加算金は追納と同じです。保険料は古い順から納付します。

平成24年度中の後納保険料額

平成・年度 後納保険料額 当時の保険料額 加算額
14 14,940円 13,300円 1,640円
15 14,720円 13,300円 1,420円
16 14,510円 13,300円 1,210円
17 14,560円 13,580円 980円
18 14,610円 13,860円 750円
19 14,640円 14,100円 540円
20 14,760円 14,410円 350円
21 14,840円 14,660円 180円
22 15,100円 15,100円 加算なし

後納制度の申込みの主な注意点

1)、後納保険料は、古い方から納付。
2)、前10年以内は申込日でなく承認日(納付日)。
3)、付加保険料の利用不可。
4)、任意加入期間については、事前の申込み必要。
5)、65歳未満は、年金額増加のため480円まで納付可。
6)、65歳以上は300月までの納付。


これからの情報に注目 〜 知らなかったでは済まされない!

誰にも平等に訪れる老い、寿命が長くなった分年金受給期間も長くなっています。生涯受給できる公的年金はある意味優れた金融商品とも言えそうです。

取り敢えずは後納制度対象者に届く「事前お知らせ」を持参して年金事務所などで説明を受けるとよいでしょう。これからの生活に関わる大事な情報です。疑問点などもメモして質問し、理解して納得が基本です。

とくに受給資格期間が足りない人の場合はしっかり聞いて今後の対応が求められます。なお平成24年8月10日に社会保障と税の一体改革の一部の法案がとおり、現在の受給資格期間25年が10年になる予定(平成27年10月施行・状況の変化では少し不透明)です。但し、10年だと将来の年金額は少ないことを覚悟せざるを得ません。いずれにしても、今後の情報収集を見落としなく・・・


執筆:音川敏枝(ファイナンシャルプランナー)CFP®
ファイナンシャルプランナー(CFP)、社会保険労務士、DCアドバイザー、社会福祉士。
仲間8名で女性の視点からのライフプランテキスト作成後、FPとして独立。金融機関や行政・企業等で、女性の視点からのライフプランセミナーや年金セミナー、お金に関する個人相談、成年後見制度の相談を実施。日経新聞にコラム「社会保障ミステリー」、読売新聞に「音川敏枝の家計塾」を連載。 主な著書に、『離婚でソンをしないための女のお金BOOK』(主婦と生活社)、『年金計算トレーニングBOOK』(ビジネス教育出版社)、『女性のみなさまお待たせしました できるゾ離婚 やるゾ年金分割』(日本法令)。
HP: http://cyottoiwasete.jp/

ページの先頭へ

Copyright(C) NTT IF Corporation