セカンドライフの落とし穴

セカンドライフの落とし穴

第68回:お小遣いの額でセカンドライフも変わる
     〜 自由に使えるお金は嬉しい… 〜

誰でも生活に必要なお金ではなく、自分で自由に使えるお金(お小遣い)があるのは嬉しいことです。例え、それが60代・70代の高齢期になってもウキウキ感は同じです。むしろ、長い間家族を支えるために一生懸命働いた(尽くした)時期を経て、趣味等に使えるお金が増えることは何より自分へのご褒美となるでしょう。しかし、現実の生活は、老後に必要な生活費を確保するだけで精一杯のケースも多く、自分だけのお小遣いをそれなりに確保するのは意外と大変です。今回は、セカンドライフこそ、お小遣いが必要という認識を持ち蓄えておこうというお話をしたいと思います。

< お小遣いの月平均 >

@ 高校生 5,000円

お小遣いをもらっている人は、小学生で約7割、中高生は約8割。実際にもらっている人の平均は、小学生1,000円前後、中学生2,500円くらい、高校生5,000円が相場とのこと。

[「もらっている(定期的)」と「もらっている(必要の都度)」の合計・2016年 【知るぽると】子どもの暮らしとお金に関する調査]

最近は、子どもと言えど携帯代や通信費、学習費・交通費などの費用も必要な時代ですが、金額の内訳をみると世帯ごとの教育方針などの影響も大きいのが見えます。

A 現役サラリーマン 男性3万7873円・女性3万3502円

新生銀行のお小遣い調査によれば、現役世代(20代から50代のサラリーマン)のお小遣いの平均は、男性で37,873円(前年比231円増)と伸び悩み、子どもが社会人のみの世帯の場合のお小遣いは4万円、子どもが未就学児、小学生世帯、中高生飲みの世帯は子育て・教育費の負担から3万円を下回っています。ちなみに、女性のお小遣いの平均は33,502円(前年比966円減)でした。日々500円〜600円台のランチ代や仕事に必要な交際費などをやりくりしながら、頑張っている姿が目に浮かびます。

< 給与の平均 年415万円 >

国税庁の統計(平成26年12月末の民間企業の給与所得者を対象にした統計)によれば、男女計の給与の年平均は415.0万円、男性のみの平均は年514.4万円、女性のみの平均は年272.2万円です。業種別でみると電気・熱供給、ガス、水道は年平均655万円、金融・保険は年平均610万円と高額ですが、宿泊業・飲食サービス業は年平均237万円と格差大です。ご自分の給与と比較すると妥当なお小遣い額のイメージが分かりますね。少ないようでしたら家庭の大蔵大臣に交渉の価値もありそうです。但し、仕事や家族の状況により必要支出額は異なる認識も必要です。

60〜74歳のお小遣い 月2万6820円

博報堂生活総合研究所の調査2016年によれば、60〜74歳の月のお小遣いの平均は26,820円、高齢化で寿命が伸び節約傾向にあると分析しています。

なお、今欲しいものは、@健康 A安定した生活 Bお金 と続き、生活について先の見通しは暗いと答えた人が半数を占めています。

セカンドライフこそ、各自お小遣いを確保したい!

現役時は、生活費と働く人のお小遣いを分けて生活している人が大半です。専業主婦の私の場合は、お小遣いという項目はなかったけれど、日々の生活費の中から自分のお小遣いを捻出していました。

但し、年金生活になるとそんな呑気なことは通用しません。年金だけで暮らせる世帯は多くありません。生活費と年金との差額(赤字)分は、蓄えた預貯金から取り崩して生活せざるを得ないのが現実です。やっと生活のためだけでない自分のために使える時間ができるセカンドライフなのに、肝心のお金が足りないのではやりきれませんね。節約もいいけれど、老後こそ、各々がお小遣いの項目を作り、趣味に仕事に仲間づくりに外に出かけましょう。足りない分シルバー人材センターで働くのもいいでしょう。

Aさんの場合

70代後半のAさんは、若いころから趣味のカラオケを楽しみキラキラ光るブレザーで発表会にも積極的に参加しています。年金は全額妻に渡し、シルバー人材センターで週に数日働いて得たお金を自分のお小遣いにしているので家族関係も良好です。かつ、仕事・趣味・地域に「居場所」があるので、とても活き活きした暮らしを続けています。

[シルバー人材センターとは]
月平均収入 4万6374円(東京都・シルバー人材センター)

シルバー人材センターとは、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、区市町村ごとに設置されている公益法人(社団法人)です。企業や家庭、公共団体などから、高齢者にふさわしい短期的、臨時的、軽易な仕事を引き受け、原則60歳以上の会員に仕事を提供しています。
会員などの年齢構成(東京都)

図表からも分かりますが、就業会員は70〜74歳が34.3%、75〜79歳が26.7%と働く意欲に体力が備わっていれば、かなり高齢でも働けるようです。生活、経済で自立する高齢者が増えれば、地域の活性化に繋がります。何より本人の健康寿命が伸びます。正に楽しみながら働く発想です。

ちなみに東京都(平成27年度)の場合、会員数は81,578人(男性65.8%・女性34.2%)月平均の収入は12.9日(一日の稼働時間は短い)働いて46,374円です。まさに老後のお小遣い額としては文句なしの収入です。Aさんのように、生活のために支出を我慢でなく、楽しむためのお小遣いを得るために新しい収入源を確保する働き方もいいでしょう。少子高齢化で元気な高齢者は大切な労働力になる時代になってきました。即戦力になる高齢者は、その気になれば活き活きライフはいくらでも可能です。



執筆:音川敏枝(ファイナンシャルプランナー)CFP®
社会保険労務士、DCアドバイザー、社会福祉士。
仲間8名で女性の視点からのライフプランテキスト作成後、FPとして独立。金融機関や行政・企業等で、女性の視点からのライフプランセミナーや年金セミナー、お金に関する個人相談、成年後見制度の相談を実施。日経新聞にコラム「社会保障ミステリー」、読売新聞に「音川敏枝の家計塾」を連載。 主な著書に、『離婚でソンをしないための女のお金BOOK』(主婦と生活社)、『年金計算トレーニングBOOK』(ビジネス教育出版社)、『女性のみなさまお待たせしました できるゾ離婚 やるゾ年金分割』(日本法令)、『認知症マネー まるわかりガイド』(相続・後見マネー塾 (共著) アールズ出版)。
HP: http://cyottoiwasete.jp/

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